もう一つの「ゼルダの伝説」 作者が込めた思いとは

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向井大輔
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 国内外に熱烈なファンを持つ任天堂のゲーム「ゼルダの伝説」シリーズ。ゲームそのものではなく、漫画に焦点を当てた企画展「姫川明原画展 ―マンガ『ゼルダの伝説』をふりかえる―」が開かれている。アニメやゲームの漫画化(コミカライズ)はPR目的と捉えられがちだが、展示からはオリジナルに相対する2人組みの漫画家・姫川明の矜恃(きょうじ)がにじみ出ている。

記事の後半では、作者である姫川明さんへのインタビューを掲載しています。

 ゼルダの伝説は1986年に1作目が登場して以来、30年以上にわたって様々なシリーズが発売されているアクションアドベンチャーゲームだ。主人公リンクが、フィールドやダンジョン(迷宮)の謎を解きながら、冒険を進めていく。

 本田Aと長野Sの女性2人による「姫川明」が、ゼルダの漫画を始めたのは99年の「時のオカリナ」から。小学館の学年誌「小学五年生」「小学六年生」に連載された。以降、シリーズの「ムジュラの仮面」や「神々のトライフォース」などを漫画化し、現在も「トワイライトプリンセス」を連載中だ。20年余りで手がけたのは9作品に達する。

 企画展では、これらの作品の原画など、約200点を展示している。作品ごとのカラーやモノクロの原画をはじめ、世界各地で翻訳されたコミックも並ぶ。

 担当する学芸室員の應矢(おおや)泰紀さんは「ゲームの世界観を守りながらも、作品ごとにリンクのタッチを変えるなど、漫画でしかできない試みが随所になされている」と話す。実際、姫川はゲームには出てこない重要キャラクターを登場させたり、オリジナルの短編を描いたりと、独自の創作を模索してきた。

 これらはもちろん任天堂と話し合った上でのことだ。公式図録の巻末に、任天堂の宮本茂・代表取締役フェローはこう記している。「ゲームでは表現できない物語を紡ぎ出すクリエイティブには、ゲームを作っている我々も、いつも驚かされています」

 12月26日まで、京都市中京区京都国際マンガミュージアム(075・254・7414)。無料だが、ミュージアムへの入場料が必要。大人900円、中高生400円、小学生200円。原則火曜、水曜休館。(向井大輔)

リンクとともに冒険、姫川明の20年

 姫川明に漫画「ゼルダの伝説」にかける思いを聞いた。

 ――原画展の感想は…

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