佐藤錦の「元祖」はどこ? 山形の老舗、名称の使用巡って裁判で争い

坂田達郎
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 山形県産サクランボの高級品種「佐藤錦」を生産販売する「天香園」(東根市)が、特産品を製造販売する「清川屋」(鶴岡市)と卸元の佐藤錦の生産者を相手取り、「元祖佐藤錦」の名称を使わないよう求める訴えを山形地裁に起こした。11月30日に第1回口頭弁論があり、被告側は請求の棄却を求めた。

 訴状によると、佐藤錦は大正時代、故佐藤栄助氏の園地で誕生した。1928(昭和3)年ごろ、天香園の初代、故岡田東作氏が佐藤氏から原木を譲り受け、育成して「佐藤錦」と命名した。天香園は98年ごろから「元祖佐藤錦」として販売を始めた。

 天香園は、天皇、皇后両陛下(現・上皇ご夫妻)が2015年に園内で手摘み体験をするなど、「元祖佐藤錦を販売していると全国に知れ渡っている」と主張。清川屋が佐藤氏の子孫の生産者から仕入れたサクランボを「元祖佐藤錦」として販売しているとして、「営業上の利益を侵害している」などと訴えている。

 被告側の代理人弁護士によると、清川屋は遅くとも92年から「元祖佐藤錦」として販売していると反論。生産者は佐藤氏の親戚筋で園地の一部を引き継いでおり、「不正競争に当たらず、『元祖佐藤錦』の名称を使う根拠はある」などと主張している。(坂田達郎)