箱根駅伝注目の「大学ナンバーワン」 駒沢大入学後に覚醒した田沢廉

辻隆徳
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 前回の箱根駅伝は最終10区の逆転劇で頂点に立った駒大。2連覇をめざすチームの鍵になるのは、主将でエースの田沢廉(れん)(3年)だ。いまや長距離界で「大学ナンバーワン」と言われる存在になったが、青森で過ごした中高時代は目立った選手ではなかった。

 「冬は雪が降って、スケート場の外周で練習することもあって、練習環境は厳しいものがあった」

 青森での日々をこう振り返る。

 青森県八戸市出身。中学時代は3年生のときに3000メートルで全国中学校大会に出場したが、決勝に残るのがやっとだった。

 高校は全国高校駅伝の常連校である青森山田に進学。3年のときにアジアジュニア選手権の5000メートルで銀メダルを獲得した。そして、全国高校駅伝では3年連続で1区を担当。1年は区間27位で、2年は区間4位に食い込んだが、3年は区間15位に終わった。

 「昔は気持ちの弱さがあった。逆に上のほうで走っていなかったというのがいい経験になったというか、その悔しさを大学で活力にしていこうと思った」

 この言葉通り、駒大に進学してから田沢の潜在能力が一気に開花した。

 1年生で出雲駅伝の3区で区間2位。華々しく学生駅伝デビューを果たすと、全日本大学駅伝では7区で区間トップに。箱根駅伝でも3区を走って7人抜きを果たすなど区間3位に入った。2年生でも全日本でアンカーを走り、優勝のゴールテープを切った。

 そして、今年12月には1万メートルで日本歴代2位となる27分23秒44をマークし、来夏の世界選手権の標準記録を早々と突破した。

 このレースの疲れが残っていないか心配だが、大八木弘明監督は「悪い状態ではない。箱根では区間賞を取りたいと本人も言っているので期待したい」と信頼が揺らぐことはない。

 田沢自身の言葉も心強い。

 「どの区間を走るにしても、日本人トップで走らないといけないと思っている。ライバルはいない」

 大学で覚醒した絶対的エースが、チームを牽引(けんいん)する。(辻隆徳)