新型コロナウイルス対策として政府が調達した「アベノマスク」を含む布マスクが大量保管されている問題で、厚生労働省が1日、朝日新聞に保管状況を公開した。8千万枚を超える布マスクが10万箱に及ぶ段ボール箱に詰め込まれ、巨大倉庫の中に眠っていた。
在庫マスクは東京近郊にある大型倉庫に保管されていた。エレベーターの扉が開くと、目の前に段ボール箱の壁が迫ってくるかのような光景が広がっていた。フロアを見渡す限り「箱の壁」が続いている。
同行した厚労省の担当者に「これ、全部布マスクが入っているんですか」と尋ねると、「そうですよ」と淡々とした返事。担当者の説明では、倉庫内の布マスクは200~2千枚程度に分けて段ボール箱に収められ、その数はおよそ10万箱。10トントラックで300台分以上になるという。
「箱の壁」の高さは、高いところで4メートルを超えていた。積み上げた重みで箱が潰れないように、鉄製のラックで3段に分けて積まれている。約1万平方メートルのフロアの半分以上を占めているという。
箱を開けると、1枚ずつ透明な袋で包装された布マスクがぎっしりと詰め込まれていた。倉庫に窓はなく、湿度が管理され、害虫が入りにくい構造になっているという。
厚労省によると、10月末時点の在庫は8130万枚。4月以降に解消された在庫は142万枚にとどまる。保管業務は4月から日本通運が請け負っている。朝日新聞の取材申し入れに、所在地を特定しない条件で公開された。
この布マスクの山は、今後ど…
- 【視点】
新型コロナウイルス対策として政府が調達した「アベノマスク」を含む布マスクが大量保管されている問題。8千万枚を超える行き場のない布マスクは今––“箱は鉄製のラックに約4メートルの高さまで積み上げられ、約1万平方メートルのフロアの半分以上を占め

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