日本の筆記具、実は輸出産業 高品質の秘密は独自の文字文化にあり?

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隈部康弘
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数字は語る

 海外で受けている「日本のモノ」の一つに筆記具がある。業界の主力となっているボールペンの輸出数量は2020年、8億6963万7千本(財務省貿易統計)だった。これは販売(出荷)数量の約6割にあたる。筆記具は輸出産業の側面が大きい。

 「筆記具についていうと、欧米ではたいして新しいものをつくりません。当然のようにいろいろと工夫して新製品を出しているのは、日本ぐらいなんです」と、日本筆記具工業会の吉田栄専務理事(64)。

 品質や性能を追求し続ける日本のメーカーは世界をリードしている。日常がアルファベットだけの欧米と異なり、日本は漢字に、かな、アルファベットも書く。この多様さが筆記具にこだわる理由ではないか、というのが一つの見方だ。

 大ヒットの消せるボールペン「フリクション」(パイロットコーポレーション)は06年、フランスを中心に欧州で先行販売され、たちまち評判になった。

 欧州では子どものころから万…

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    福田直之
    (朝日新聞記者=産業、テック、中国)
    2021年12月3日15時31分 投稿

    【視点】 6年前の話です。スマートフォンから宇宙ロケットまで、ものづくり大国ぶりを遺憾なく発揮していた中国が、実は満足にボールペンのペン先を作れない点が中国国内で話題となりました。  李克強首相が2016年1月の会議で「我々はまだボールペンのペン