救急搬送され挿管されたアリスちゃん、両親は気管切開を拒否した

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それぞれの最終楽章・子どもの看取り(4)

小児看護専門看護師・萩原綾子さん

 脊髄(せきずい)性筋萎縮症(SMA)のアリスちゃん。念願の在宅生活を送っていましたが、「そのとき」は突然訪れました。2009年1月、アリスちゃんはインフルエンザをこじらせてしまいました。たんが多く出るようになり、ひっきりなしに吸引しないといけなくなりました。

 アリスちゃんは「(呼吸が苦しいから)ニップ(鼻マスク型の人工呼吸器)をつけたい」と言い始めたそうです。しかしその準備をしているさなかみるみるうちにチアノーゼで顔が青黒くなっていきました。アリスちゃんは心肺停止になり、大学病院へ救急搬送され、呼吸確保のため挿管されました。大学病院から神奈川県立こども医療センターのICU(集中治療室)に運ばれました。

 翌日出勤した私は、院内のベッド状況を電子カルテで確認するなかで、ICUにアリスちゃんの名前があることを知りました。「ああ、急変したのだな」。心配な気持ちになっていると、「受付にアリスちゃんのお母さんが来ています」と呼ばれました。受付に行くと、お母さんの純枝さんは泣き崩れてしまいました。すぐに相談室でお話を聴きました。

 「萩原さん、アリスが『苦し…

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