コロナで脚光のmRNA技術 製薬業界に革命起こすか 

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サンディエゴ=真海喬生
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 新型コロナワクチンで実用化されたm(メッセンジャー)RNA技術を、別の感染症のワクチンや治療薬に応用する「mRNA医薬」の研究開発が世界で進んでいる。mRNA医薬が「製薬産業に革命を起こす」と話す専門家もいる。世界の大手製薬会社や製薬ベンチャーの間で、開発競争が激しくなっている。

しんかい・たかお 1984年生まれ。経済部などを経てニューヨーク支局員。米国経済を担当。学生時代は生命科学を専攻していた

 米カリフォルニア州サンディエゴ。11月中旬でも気温27度という温暖な町の丘の上に、米ファイザーなど複数の製薬会社が拠点を置く地域がある。製薬ベンチャー「アークトゥルス」は、この一角に本社を構える。広大な土地に建てられた2階建てのビル内部の実験室で、20人ほどが白衣を着て試験管に向き合っていた。

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mRNA技術を使った創薬に取り組む米製薬ベンチャーのアークトゥルス=2021年11月15日午後、米サンディエゴ

 2013年に創業し、従業員はここ数年で2倍以上に増えたが、約170人と製薬会社では小規模だ。そんな会社の株価が20年春に突如、2倍以上に高騰した。

 当時は、日本でいま接種されている米モデルナや、米ファイザーと独ビオンテックがmRNAを使った新型コロナワクチンの開発で世界の注目を集めていたころだ。アークトゥルスも、mRNAを使ったコロナワクチンなどの創薬研究を手がけていた。同社の創業者で最高経営責任者(CEO)を務めるジョセフ・ペイン氏は、「ファイザーとモデルナのコロナワクチンの成功で、投資家がmRNA医薬を見る目が変わった」と話す。

 mRNAはもともと生物の細…

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