携帯の位置情報取得に波紋 オミクロン株対策でイスラエル治安機関

新型コロナウイルスオミクロン株

エルサレム=清宮涼
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 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が確認されているイスラエルで、政府が治安機関に市民の携帯電話の位置情報を取得して感染者を監視することを認めたことが波紋を呼んでいる。政府はオミクロン株の感染拡大を防ぐための一時的な措置だと説明するが、与党内からも懸念の声が上がっている。

 位置情報の取得を許可されたのはイスラエルで治安維持や情報活動などを担う機関「シンベト」。イスラエル政府は11月28日、オミクロン株の感染が国内で確認されたことを受け、シンベトに感染者の携帯電話の位置情報を取得することを緊急に許可した。政府は「感染の鎖を断ち切るため」であり、「使用は新たな変異株(オミクロン株)が確認された例に限られる」と理解を求めている。

 ただシンベトは本来、テロ対策などを行う組織だ。市民のプライバシーの侵害にあたるとして、反発や懸念が相次いでいる。イスラエルメディアによると、28日には大臣4人がこの動きに反対したという。

 緊急の許可は今月2日まで。国会では、位置情報の取得を合法化する法案の議論が始まった。ニズリ検事副総長は30日、国会で「シンベトは市民を対象にするべきではなく、とても問題が多い」としながらも、オミクロン株については「例外だ」とも述べた。

 ベネット首相は同日、「(オミクロン株について)初期の段階で不確実なことが多いからだ。情報が増えれば、手段を緩和することができる」と述べた。

 イスラエル国会では昨年7月、シンベトが感染者らの携帯電話の位置情報を取得することを合法化する法律を成立させ、当時も批判を招いた。このときの法律はすでに失効している。(エルサレム=清宮涼

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