菊五郎さんら吉右衛門さん悼む 兄の白鸚さん「安らかでいい顔」

 中村吉右衛門さんの悲報を受けて、歌舞伎界や共演した俳優らが追悼のコメントを発表した。

 歌舞伎俳優で人間国宝尾上菊五郎さんは「長い役者人生を全身全霊で頑張られました。再び、一緒に舞台に立てることを願っていましたので残念でなりません。これまでも幾度も同じ舞台に立ちましたが、菊之助の結婚を機に、縁あって親戚となり、孫の丑之助も生まれ、初お目見得(めみえ)や初舞台では共に孫の成長を喜び合いました。平成最後の舞台では『鈴ケ森』で私が白井権八、播磨屋さんが幡随院長兵衛を勤めたのも深く印象に残っています。本当にお疲れ様でした」とのコメントを出した。

 吉右衛門さんの兄で歌舞伎俳優の松本白鸚さんはコメントで「別れは何時の刻(とき)も悲しいものです。今、とても悲しいです。たった一人の弟ですから。幼い頃、波野の家に養子となり、祖父の芸を一生かけて成し遂げました。病院での別れの顔は、安らかでとてもいい顔でした。播磨屋の祖父そっくりでした」と惜しんだ。

 松本幸四郎さんは「叔父のお顔を見た時、初めて涙が溢(あふ)れてきました。80歳で『勧進帳』の弁慶を勤める。必ず復活されてご自身の目標に向かわれる日が来ると信じていましたので、訃報(ふほう)を聞いてすぐにはこの事実を受け入れられる自分ではありませんでした。叔父は先人を敬い、その芸を体現し、芸術である歌舞伎を進化させてこられました。叔父の芸を永遠のものにするために、教えていただいた我々がその情熱を心に刻み舞台を勤めて参ります。いずれも様には、叔父をご愛顧くださり心より御礼申し上げます」とコメントした。

 テレビ時代劇「鬼平犯科帳」(フジテレビ系)で吉右衛門さん演じる長谷川平蔵の妻、久栄を演じた多岐川裕美さんは「携帯にネットニュースが入り、今知ったばかりで、、、言葉もありません。鬼平犯科帳で長い間、真近(まぢか)で生きた芝居を見せて頂けた事、私の宝物です。ご家族のお気持ちを思うと、涙が止まりません。ご冥福をお祈り申し上げます。」とコメントを出した。