「経済効果は6760億円」 新サッカースタジアム、広島市が試算

福冨旅史、東郷隆
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 2024年春に広島市中心部で開業予定の新サッカースタジアムについて、事業主体の広島市が、県内全体の経済波及効果を開業後20年間で約6760億円と試算していることがわかった。事業費の負担割合を協議している県の求めに応じてまとめた。県はこの試算を判断材料の一つとして負担割合を決める考えだ。

 新スタジアムは広島市中区の中央公園広場に建設予定で、J1サンフレッチェ広島の本拠地になる。総事業費は271億円で、市は国の補助金や企業などからの寄付を除いた約100億円を県と折半したい考えを表明している。これに対し、県は広島市だけでなく、県内全体への波及効果を見極めたいとして負担割合を示していない。

 市スタジアム建設部によると、県の「産業連関表」という計算ツールに基づいて経済波及効果を試算した。内訳は、資材の調達や建設業者の収入など建設だけで生じる効果が約460億円。Jリーグの試合やイベントなどで訪れる人を年間310万人と想定し、開業後20年間で宿泊や飲食、交通費などによる効果が約6300億円と見込む。

 さらに今回の試算では、経済波及効果から計算できる県税収入が約78億円と見込まれ、市が想定する県負担分の約50億円を上回る結果になった。新型コロナウイルスの影響については「24年の開業後の状況は見通せない」として反映されていない。

 湯崎英彦知事は11月30日の記者会見で、市の試算は妥当との見方を示しつつ「判断材料の一つとして、県全体の活性化につながるかなどを踏まえて判断したい」と述べるにとどめた。負担額の予算計上の時期も示さなかった。

 建設計画によると、新スタジアムは2万8520人分の座席を備え、スタジアム横の広場にはカフェやレストラン、芝生の広場なども設ける。建設予定地では6月、旧日本陸軍の輸送部隊「中国軍管区輜重(しちょう)兵補充隊」の被爆遺構が見つかり、市は9月に一部を切り取って保存。現在は、さらに深い場所にある江戸時代の遺構を調査しており、市は早ければ年内にも調査を終えたいとしている。(福冨旅史、東郷隆)