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パンデミック対策に強制力を WHOが条約づくりの協議機関を設置へ

新型コロナウイルス

ジュネーブ=大室一也
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 今後の新たな感染症の大流行(パンデミック)に備える対策を議論していた世界保健機関(WHO)の総会特別会合は1日、閉会した。情報の共有やワクチン供給など初期段階での対応をあらかじめ定めた条約や協定をつくるため、各国政府による協議機関を設けることを決めた。

 新型コロナウイルスの世界的な大流行に対し、初期段階での対応で各国の連携が不十分だった教訓を踏まえ、WHOは11月29日に始まった特別会合で今後の感染症対策を議論。欧州連合(EU)やアフリカ諸国、米国や日本などが協議機関の設置を提案し、1日に決まった。

 現在のWHOの感染症対策は「国際保健規則」に基づき行われている。新たな感染症の発生に備え、加盟国に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」が疑われる事例の通告や調査への協力義務があるが、強制力はない。法的拘束力のある条約や協定を制定することで、各国が素早く対応できるようになることが期待される。

 これまでWHOでの議論を経て条約が作られた例として、喫煙による健康被害の防止を目指した2003年の「たばこ規制枠組み条約」がある。

 一方、新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」の感染拡大を受けて、日本などで外国人の新規入国を禁止する動きなどがあることについて、WHOの緊急対応責任者マイク・ライアン氏は1日の会合終了後の会見で、「疫学的に理解するのは難しい」と疑問を投げかけた。「ウイルスはパスポートを見ているのか、国籍や法的に滞在できるか知っているのか」と語り、自国民か外国人かで分ける対応には「矛盾がある」と指摘した。(ジュネーブ=大室一也)

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