学術会議の梶田会長、岸田首相との面談を要請へ 任命拒否問題で表明

桜井林太郎
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 日本学術会議の会員候補6人を当時の菅義偉首相が任命しなかった問題で、学術会議の梶田隆章会長は2日から始まった総会で、岸田文雄首相に面談を要請し、改めて6人の任命を求める考えを示した。梶田氏は「できるだけ早いタイミングで総理に直接お会いし、建設的な信頼関係を取り戻すためにも、6人の会員を任命してもらうようお伝えし、問題解決の具体的な道を探りたい」と述べた。

 この問題は昨年10月、学術会議が推薦した会員候補105人のうち人文・社会科学分野の研究者6人を菅首相が任命しなかったことが発覚。菅首相は任命しなかった理由について、「総合的、俯瞰(ふかん)的に判断した」などと明確な説明もしなかった。

 これに対し、学術会議は6人の任命を繰り返し求めたが、政府・与党は、学術会議の組織や運営に問題があると主張、組織のあり方の見直しを求めた。学術会議は今年4月、あり方について「現在の国の機関がふさわしく、変更する積極的理由を見いだすことは困難」との報告書をまとめている。

 5月からは、総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員らが学術会議のあり方の議論を始めたが、議論は大部分が非公開となっている。学術会議の総会ではこの日、会員から「個人情報や犯罪に関わるような内容が扱われているわけでもないのに、なぜ非公開なのか」と批判の声が上がった。

 10月には岸田政権が発足したが、松野博一官房長官は「(当時の)任命権者である菅内閣総理大臣が最終判断をしたもので、一連の手続きは終了したと考えている」との立場だ。

 梶田会長はこの日、「(岸田)総理との面談が実現しない場合、実現しても芳しくない結果に終わった場合、通常毎年4月に開催する(次期)総会を待つことなく、臨時総会を招集し、学術会議としての次の対応を議論することも考えていきたい」との考えを示した。(桜井林太郎)