第1回1歳8カ月を襲った脳腫瘍、2度の開頭手術 命を優先、声は失われた

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編集委員・辻外記子
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 福井市の浪花莉愛(りな)さん(12)は2009年12月、父浩和さん(52)、母(45)の長女として生まれた。

 1歳を過ぎ、「ママ」や「パパ」と声を発するようになった。猫が好きで、「ニャンニャン」とよくつぶやいていた。

 「ママ きたね」

 単語がつながるようにもなってきていた。

 母乳をよく飲み、離乳食もとり始めていた。

 つかまり立ちするようになり、「もうすぐ歩くのかな」と浩和さんは思った。

「すぐにも手術をしたほうがいい」

 ところが2011年の夏、食欲がなくなり、食べたものをもどしてしまうこともあった。

 ふらつくようになり、つかまり立ちをしても、ぺたっと座りこむ。

 自宅近くのクリニックで診てもらっても、原因はわからなかった。

 「筋肉が萎縮していく病気だろうか」と浩和さんは心配した。

 1歳8カ月を迎える頃、福井県立病院を受診し、脳のMRIを撮った。

 「脳腫瘍(のうしゅよう)」と診断を受けた。

2歳を前に2度の開頭手術を受けた莉愛さん。度重なる再発で治療は続き、家族は温かく支え続けています。病気と共に歩む莉愛さんの成長と家族のこれまでを、全4回にわたって紹介します。記事の末尾には手術前の莉愛さんの動画も。

 「すぐにも手術をしたほうがいい」。医師は福井大学病院を紹介した。

 大学病院の脳神経外科で診てもらうと、医師は「腫瘍が小脳と脳幹を圧迫している。危険な状態です。早く手術が必要」と浩和さんに伝えた。

 翌日、緊急手術となった。

 8月4日の朝。

 「おはよう」と浩和さんが莉愛さんに言うと、「おはよ」。

 「きょうは手術の日です。手…

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