イタリアの空から届けたバイオリン 「レナ」の原点は病院と母の姿

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聞き手・杢田光
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 イタリア北部の街クレモナで、「レナ」と親しまれている日本人のバイオリニストがいます。大阪府箕面市生まれの横山令奈さん(34)。コロナ下で病院の屋上などから音色を届け、話題になりました。

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 「高校生まで箕面で過ごし、2006年にクレモナへ留学しました。クレモナの人たちはオープンマインドで、住み心地がいい。ノリが関西と似ている気がします」

 「ストラディバリウスの生誕地で、13年からバイオリン博物館の演奏者として、数々の古い貴重な楽器を弾いてきました。現代も楽器制作が盛んです」

 ――昨年4月、クレモナから演奏動画を発信して話題になりました

 「クレモナの観光プロモーション会社の人に声をかけてもらったのが始まりです。イタリア全土で3月上旬からロックダウンが始まって公演がままならない中、インスタグラムで毎日演奏を配信していました。その映像が目にとまって、クレモナのシンボルの鐘楼トラッツォの上で演奏しませんかと」

 「街は1カ月近く静まり返っていました。皆さんの癒やしになればと考えながら、約500段の階段を上っていきました。頂上に到着して、112メートルの高さから街を見下ろすと、緊張で胸がいっぱいに。生演奏を町じゅうに響かせるなんて初めての経験でした。

 人が集まると困るため、入念な音響チェックもできません。ほぼぶっつけ本番で3曲を弾きました」

 「最初はバッハ/グノーの『アベマリア』。からっぽの街に、ふわーっと音が広がりました。そして最後のビバルディの『四季』より『夏』を終えると、涙があふれました」

 「眼下に病院が見え、コロナに感染した知り合いや医療関係者、患者さんに思いをはせました。久しぶりに人前で演奏できて幸せでしたが、色んな感情が入り交じりました」

 ――日本は緊急事態宣言下で不要不急という言葉が広まっていました

このあと、コロナ下での演奏家としての思いや、患者さんたちに音楽を届けるようになったきっかけについて、横山さんに聞きました。

 「その言葉に傷つきましたし…

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