直木賞作家が語るパルナスの旋律 「寂しいことの価値教えてくれた」

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編集委員・副島英樹
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現場へ! パルナス再び③

 直木賞作家、朱川湊人(しゅかわみなと)(58)の作品は「昭和の懐かしさ」に満ちている。ホラーの薫りを漂わせつつ市井の温かな心象風景を描き、夢と現(うつつ)、今と昔を縦横に行き交う作風だ。ロングセラーの文庫の帯に「涙腺決壊」や「涙腺崩壊」とある通り、涙なしでは読めない。

 朱川は5歳まで大阪・天満の商店街で暮らした。2005年の直木賞受賞会見で「大阪は夢のふるさと」と語っている。受賞作は六つの短編からなる「花まんま」。その冒頭の「トカビの夜」を貫くのは、あのパルナスの旋律だ。

 なぜパルナスを――。この夏、東京の下町に住む朱川を訪ねた。

 「トカビの夜」の創作を振り…

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