部活やめ、就職も諦めた 介護する若者の選択に「大人は寄り添って」

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川野由起
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 埼玉県草加市に住む井手大喜さん(36)は高校1年生のとき、脳梗塞(こうそく)で倒れた父の介護や世話を始めた。「ヤングケアラー」だった。

 父は当時58歳。家に帰ることもままならない認知症の症状がまもなく始まった。姉は知的障害があった。父の世話は働きに出ている母とともに担った。家族の方が大事だと自分に言い聞かせ、所属していたアメリカンフットボール部をやめ、学校から帰宅して父の世話ができる時間をつくった。

 大学に進学してもケアラーとして、父を世話する日が続いた。自分の排泄(はいせつ)物をいじる父、食事をしたことを忘れる父、夜に突然、ひとり歩きする父……。認知症は進み、身の回りのことを自分でできることが少なくなった。

 そんな父でも、一緒にテレビ番組を見て、笑い合った時間があった。寝ている父が床ずれしないよう、父の背中を支えるようにして寝たこともあった。

 だけど、周りの大人たちはすげなかった。

 自宅の郵便受けに、父を指し…

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