高齢者宅へロボットが薬など配達 損保ジャパン・川重など実証実験
自動で走るロボットを使って高齢者の住まいに薬や食品を届ける実証実験が東京都内で行われ、2日に報道陣に公開された。深刻化している介護の人手不足をやわらげる狙いがある。実験に参加した川崎重工業などは、今回の結果を踏まえ、事業化に向けて検証を進める考えだ。
11月中旬からの実験に参加しているのは、川崎重工のほか、損害保険ジャパン、自動運転システムを開発する「ティアフォー」(名古屋市)など計4社。ロボットは川崎重工製とティアフォー製の2種類で、あらかじめ保存された地図情報をもとに自動で走行する。この日、2台は薬局で段ボール箱を積み込んだあと、時速3~4キロのスピードで歩道を走り、約2キロ先の老人ホームに向かった。
ロボットは直線道路は自動で走行できるが、信号のある交差点や路上駐車などの障害物がある場所では人の操作が必要で、この日も操作者が付き添って歩いた。将来は完全な自動走行を目指す。
高齢化が進み、介護が必要なお年寄りが増えている一方で、介護に携わる人材は不足している。買い物をロボットに任せることができれば、介護のスタッフが高齢者の身の回りのサポートに専念し、業務を効率化できるとの期待がある。
4社は事業化の時期は「未定」としているが、介護分野での自動搬送ロボットの需要は大きいとみている。(村上晃一)
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