「民主主義守る最前線にいる」 台湾の蔡総統、国際フォーラムで訴え

台北=石田耕一郎、北京=林望
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 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権は2日、米NGOと民主主義や議会審議の透明化をテーマにした国際フォーラムを開いた。バルト3国やメキシコから訪台した国会議員のほか、デジタル担当相のオードリー・タン氏も出席。圧力を強める中国を念頭に、民主主義陣営の連携をアピールする試みだ。

 政権が、米NGO「全米民主国際研究所」(NDI)に働きかけ、台湾で初開催した。安倍晋三元首相やペロシ米下院議長が祝辞を贈ったほか、米国やスリランカなどの国会議員もオンラインで参加し、議会審議の透明化などについて意見交換した。

 蔡総統は「台湾は民主主義を守る最前線にいる。各国と協力し、強固な民主主義陣営を築きたい」とあいさつした。タン氏は、台湾の行政が続けるネット経由の政策提言システムなどを念頭に、「デジタル時代には、政策決定者は人々のために政治を行うだけでなく、人々と協力して行う必要がある」と訴えた。

 NDIのミッチェル代表は朝日新聞の取材に、中国式システムについて「民主主義とは人々が定期的に政府を選択し、監視するシステムだ。自由な言論を罰し、情報を制御するシステムではない。中国やロシアは民主主義の定義を都合良くねじ曲げている。例えば七面鳥が『自分はアヒルだ』と唱えても、実態は違うのだ」と批判した。

 一方、中国外務省は2日、北京市内で「誰が民主を定義するのか」と題した座談会を開催した。同省によると、楽玉成外務次官は中国には中国の実情に合った民主主義があると主張した上で、米バイデン政権が開く民主主義サミットについて「各国に民主的か非民主的かとレッテルを貼って人為的にランクづけするもので、国際社会の団結に何の利益ももたらさない」などと批判した。(台北=石田耕一郎、北京=林望)