「スポーツドリンク解禁を」 校則変えようと小学生が先生にプレゼン

堤恭太
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 色つきの消しゴムを使いたい、通学班をなくしてほしい……。埼玉県戸田市立新曽小学校の6年生が自分たちで校則を変えようと、先生たちにプレゼンテーションした。社会科の授業で三権分立を学ぶうち、学校のルールは先生がつくっていて自分たちが関わっていないことに気づいた。児童たちの声に、先生側は総合学習として取り組むことで応じた。

 提案したのは校則で禁止されている色つき消しゴムやシャーペンの使用許可、夏場のスポーツドリンクの解禁、通学班の廃止など6項目。3クラスの計98人が6班に分かれて、引用する資料の収集やアンケートなどをして、1日に開かれた校務運営委員会に出席した学年主任ら先生12人に自分たちの主張を訴えた。

 色つき消しゴムについては「自分が使う消しゴムは自分で決めたい」と述べ、「色消しだと名前が見えにくい」という禁止理由に対し「白色で名前を書く」「テープを貼ってその上から書く」と提案した。「消えにくい」という理由にも「白でも消えないものもある」などと反論。アンケートで50%の児童が「自由にしたい」と答えたことも付け加えた。

 先生からは「様々な消しゴムを持ってくると、それを欲しいと思う子がいてトラブルになる」などの意見が出された。

 スポーツドリンクの解禁要求では、環境省文部科学省が出した学校での熱中症対策ガイドラインに「スポーツドリンクを利用するといいでしょう」と書かれていることを探し出して解禁を迫った。

 「自分たちの学校だから、自分たちでルールを決めて、より良い学校をつくろう」と意気込んだ子どもたちは、夏休み明けから、貸与されたパソコンを駆使して学習を進めた。居並ぶ先生たちを前にしたプレゼンだったが、「将来会社に入ったら、こうしたプレゼンをすることになる。いい体験ができた」と動じていなかった。

 今後、先生たちの指摘に対する回答を盛り込んで要求を再提出することにしている。先生側も、できるものは校則に反映するという。同校によると、校則をめぐっては中学生が学校側に提案する例はあるが、小学生が試みるのは珍しいという。加藤貴嗣校長は「子どもたちが自分で考えて校則をより良くしていくことが、新曽小の伝統になれば」と話している。(堤恭太)

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    内田良
    (名古屋大学准教授・教育社会学)
    2021年12月3日15時59分 投稿
    【視点】

    子供が生き生きと自分の意見をプレゼンしています。新しい時代の教育を見るようで、素敵な取り組みだと思います。いま全国の小中高をとわず、報道にもならないレベルで、校則改革の地殻変動が起きています。 ●夏場のスポーツドリンクを認めてほしい