「ズッコケ三人組」那須正幹さん、死去直前に「遺書」と紹介した絵本

有料会員記事

岡田将平
[PR]

 【広島】「ズッコケ三人組」シリーズなどで知られ、今年7月に79歳で亡くなった児童文学作家の那須正幹さんが、倒れる前に「遺書のよう」と評した自身の作品がある。被爆者としての思いを込めた一冊だ。

 山口県防府市で暮らす那須さんは6月、広島市西区で子どもの育て方などについて講演した。その時、「10月にまた来る」と口にしていた。その際に同級生たちと会うのも楽しみにしていた。

 迎えた10月24日、広島市中区の旧日銀広島支店。神奈川県の絵本作家、西村繁男さん(74)がマイクを握った。「那須さんに会えなくて本当に残念」。もともとは那須さんとの対談が予定されたが、那須さんの参加はかなわず、西村さんの講演に切り替わった。

 那須さんが文章をつづり、西村さんが絵を描いたのが、1995年に出版された「絵で読む広島の原爆」だ。

那須さんから提案の作品、死去2日前に文章

 《戦前の広島を知る人は、口をそろえたように、この町がきれいで、住みやすかったといいます》

 那須さんの文と合わせ、繁華街だった現在の平和公園周辺の街並みを西村さんが描いた。川には遊ぶ子どもたちの姿が見える。その街に原爆が落とされ、人々が傷つき、街が変わり果てていく様子を文章と絵で伝えていく。

 《大木が根元から宙に浮きあがりました。人間もおなじことでした》

 《火災に追いかけられ、人び…

この記事は有料会員記事です。残り770文字有料会員になると続きをお読みいただけます。