路上生活者らに立ち退き命令 大阪・あいりん地区の閉鎖施設から

米田優人
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 大阪市西成区のあいりん地区(通称・釜ケ崎)にある「あいりん総合センター」を、閉鎖後も不法占拠しているとして、土地を所有する大阪府路上生活者ら22人に土地の明け渡しを求めた訴訟の判決が2日、大阪地裁であった。横田典子裁判長は、府の訴えを認め路上生活者に立ち退きを命じたが、判決の確定前に強制的に明け渡させる仮執行は認めなかった。路上生活者側は控訴する方針。

 判決は、耐震性に問題があるとして建て替えが決まりセンターが閉鎖された後も、敷地内に段ボールやブルーシートを置き、寝泊まりしてきた路上生活者らについて、法的な権利なく土地を占有していると認定。路上生活者側は、憲法が保障する「居住の自由」を主張したが、横田裁判長は「他人の所有する土地に居住する自由や権原までを保障するものではない」とした。また、市が代替の居場所である「あいりんシェルター」を設けたり、生活保護の受給や住居の確保に向けた支援をしたりするなど、行政側も一定の配慮をしてきたとして、立ち退きの請求は行政側の権利の乱用だとした主張を退けた。

 センターは1970年以降、日雇い労働者が仕事を求めて集まる場所で、市営住宅や福祉施設などが入っていた。府の吉村洋文知事は「府の主張が認められた妥当な判決。耐震性を備えていない建物を一日も早く撤去し、新施設を建設できるように進めていきたい」とするコメントを出した。(米田優人)