ぞうくんは、さんぽを続け50年 背中に乗せた動物たちとナンセンス

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聞き手・田中瞳子
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 「それじゃあ ぼくも のせてよ」。散歩に行くのに、動物たちが積み木のように重なっていく絵本「ぞうくんのさんぽ」。12月3日には、シリーズ5作目となる「ぞうくんのおおゆきさんぽ」が出版されました。50年以上読まれ続ける名作ですが、その出発は意外にも「自信がないほうの一冊」でした。作者のなかのひろたかさんに誕生秘話を聞きました。

 「ぞうくんのさんぽ」(福音館書店、1968年、累計162万部)

散歩に出かけたぞうくんは、途中で出会ったかばくん、わにくん、かめくんを誘い、背中に乗せます。力持ちのぞうくんですが……。

おずおずと差し出した原画

 「親亀の背中に子亀を乗せて、子亀の背中に孫亀乗せて、孫亀の背中にひ孫亀乗せて、親亀こけたら子亀、孫亀、ひ孫亀こけた」

 1960年代当時、はやっていたコントグループ「ナンセンストリオ」の早口言葉を友達が冗談めいて歌っていたんです。それを聞いたらストーリーが浮かんで、出来上がったのが「ぞうくんのさんぽ」。散歩しているぞうくんの上にかばくんが乗って、かばくんの上にわにくんが、わにくんの上にはかめくんが乗って……。僕が描いたなかで、一番簡単に思いついた絵本なんです。

 完成した「ぞうくんのさんぽ」ともう1作を、出版元になる福音館松居直(ただし)さん(当時の月刊絵本「こどものとも」編集長、現福音館相談役)に持って行きました。

 もう一つの絵本の内容はまったく覚えていないけれど、自信があった。なので先に渡したけれど、反応が良くなかったんです。だから「ぞうくんのさんぽ」は見せる気力もない。でも、「それは何?」と言われたので手に持っていた原画をおずおずと差し出しました。

 松居さんはじっと読んでから…

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