EUと米英カナダ、ベラルーシに一斉制裁 航空・旅行会社の資産凍結

ブリュッセル=青田秀樹、ワシントン=高野遼
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 欧州連合(EU)の混乱を狙って移民・難民をEU加盟国に送り込んできたとされるベラルーシに対し、EU、米国、英国、カナダが2日、一斉に追加制裁を発動した。欧米諸国はルカシェンコ政権による反政権派の弾圧などに制裁を科してきたが、第三国の市民の人権侵害まで招く行為は見逃せないと判断した。

 EU米英カナダの4者は共同声明で「人権を侵し続ける政権と、その政権を支える勢力に代償を払わせる」と表明した。4者は6月にも、ベラルーシ上空を飛行中の旅客機が強制着陸させられた事件を踏まえて一斉に制裁を発動していた。

 EUの制裁対象は、国境管理に関わる当局者ら17人と、国営航空会社、ホテル、旅行会社など11企業・組織。シリアの航空会社やトルコのビザ手配業者も含まれる。EU域内の資産を凍結し、入域を禁じた。

 米政府は新たに20人、12団体を対象にした。移民らの送り込みに重要な役割を果たしたとされる、ベラルーシ国有のツアー会社やその幹部らのほか、ルカシェンコ政権の幹部や、政権に利益をもたらす防衛関連企業なども対象とした。米国内の資産が凍結され、米国人との取引が禁じられる。

 ベラルーシ経由でEU加盟国に向かうイラクやシリアの移民・難民は今夏から急増した。EUが肥料や石油製品といったベラルーシの基幹産業に経済制裁を打った6月下旬以降のことだ。EUや米政府は、ルカシェンコ政権が関与したうえで「EUに行ける」とうたい、ビザ発給や航空便を増やして呼び込んだ移民・難民をポーランドなどとの国境地帯に送り込んだと見ている。一時は、冷え込む森林で数千人が立ち往生する事態になった。(ブリュッセル=青田秀樹、ワシントン=高野遼)