降格の横浜FCで奮闘の安永玲央 飛躍のきっかけは父・聡太郎の一言

潮智史
[PR]

 来季のJ2降格が決まった横浜FCで、若手のなかで飛躍した姿を見せたのが21歳のMF安永玲央だ。

 高校年代からのアカデミー(育成下部組織)育ちは、厳しい残留争いのなか、攻守に濃密に関わる存在としてシーズンを通して欠かせない存在となった。

 第36節の神戸戦で降格が確定したが、今季のリーグ戦では札幌との最終戦にも先発。リーグ27試合(1得点)で計1741分の出場時間を重ねた。5~6月にけがで戦列を離れたが、それ以外は中央のMFとして、先発や、途中出場でリズムを変える役割を果たした。

 もともと、体をぶつけ合う球際では強さを誇ってきた。骨格の太さは、横浜マリノス(現横浜F・マリノス)などでFWでプレーした父・聡太郎さん譲りだ。

 今季は丁寧なパスを展開することや、相手ゴール前までボールを運んで出ていく場面を増やしてきたことでチームの信頼を得た。

 加えて、右足のキックも幅を広げたシーズンだった。自分の武器と自認するその足から長短のパスを送り、カウンター攻撃の起点にもなった。

 トップチームに昇格してプロ契約を結んだのは2019年。J1昇格をめざすチームのなかで出番がなく、自ら望んでJ3富山にレンタル移籍したが、やはり出番をほぼ得られなかった。

 今季は開幕戦で先発したが、順調に来たわけではない。リーグ序盤は守備では力を示したが、攻撃に出ていく機会は限られた。ボールを奪っても前を向けず、パスを横や後ろに下げることが多く、無難なプレーが多かった。

 すぐさま、聡太郎さんから指摘を受けたという。

 「プロは、受け身になった瞬間にやられる世界。前を向けないボランチは生きていけない」

 安永に限らず、今季の横浜FCはMF瀬古樹(23)、MF松尾佑介(24)ら20代前半が主力として活躍した。

 ここ3年ほどの間に選手育成のあり方を見直し、アカデミー(育成下部組織)から将来を期待される選手も出てきた。今季、台頭した安永ら若い選手は降格したクラブの未来への希望になるのか。J2に舞台を移す来季に向け、彼らの去就が注目されている。潮智史