いまや動画まで「盛れる」 プリントシールの写り、ここまで進化した

原知恵子
【動画】いまや動画も「盛れる」…最新プリントシール機はここまで進化した=原知恵子撮影
[PR]

 平成の時代、「プリント倶楽部」(プリクラ)を機に一大ブームとなったプリントシール機。スマホのアプリで写真を簡単に加工できる今でも、若い女性の心をとらえて離さない。令和になっても続く支持の背景には、自分の顔を理想的な状態に加工できる(=盛れる)技術の止まらない進化がある。

 国内トップメーカー「フリュー」の最新機種「猫と彼女。」は「あざと盛れ」という写りをアピールする。「とびきり可愛いけど、わざとらしくない絶妙なバランス」で撮影できるという。最新の画像処理やストロボなどの力で際立つ瞳や肌と髪の自然なツヤをかなえたとしている。

 「あざと盛れ」な状態を約3秒間の動画に残せるのもウリだ。フリュー製はこれまで、「盛れ感」を静止画でしか楽しめなかった。ユーザーの中心であるZ世代は「プリントシール機で撮影した画像をSNSに投稿して楽しむ」のが定番。それを意識した仕様だ。

 昨年約20年ぶりに業界に再参入したセガの機種も「3秒動画」を搭載済みだ。セガの広報担当者は「3秒というとほんの一瞬のようですが、被写体同士の関係性、その場の空気までもが映り込み、何度でも、いつまでも見返すことができる」。限られた撮影環境下で高精細、なめらかな映像の撮影を実現するには高い技術力が必要という。

風が吹く機種も…落書き、デカ目、とまらぬ進化

 セガはアトラスと共同開発したプリント倶楽部(1995年)で世にプリントシール機を誕生させた「元祖」だが、その後は撤退。「令和におけるプリクラ文化の拡大のため、今後も引き続き持てる技術力・ノウハウを注ぎ込んでモノにとどまらない体験の価値を提供していきたい」とする。

 日本アミューズメント産業協会の「プリントシール機20年史」によると、96年にプリクラブームが到来すると、ゲームメーカーや電機メーカーなどが次々に業界に参入。顔写真のみから全身撮影、撮影画像に文字などを書き込む「落書き」機能など、楽しみ方は広がっていった。カメラの角度を変えられたり、撮影空間で風が吹いたりするユニークな機種もあった。

 写りも流行と共に変わってきた。フリューによると、例えば99年には、歌手の浜崎あゆみさんの影響などで「顔を白く飛ばす」仕上がりの機種が誕生。2007年ごろには「つけまつげ」「カラーコンタクト」がトレンドとなり「デカ目処理」機能が花盛りに。11年ごろは、アイドルグループのAKB48人気などを受け、ナチュラル系の写りが人気となった。

 近年はSNSなど情報入手先の広がりと共に「なりたい自分」も多様化しているため、「韓国っぽい」「量産型女子」「AIが似合う仕上がりを提案」など、多彩なバリエーションをそろえているという。(原知恵子)