J2降格しても横浜FCが残すべきものとは 「成績伴わなければ…」

潮智史
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 サッカー・J2への降格が決まり、横浜FCは4日にJ1最終節を終えて今季の活動を締めくくった。6勝23敗9分け。最終戦も落とし、最下位を抜け出すことはできなかった。

 2020年シーズンに13年ぶりにJ1に復帰し、J1定着を目標に掲げてきたが、わずか2季を過ごしての降格だ。

 クラブとしてどんな将来像を描くのか。足元を見詰め直すきっかけになりそうだ。

 「クラブがJ1に定着するために、ハード面を含めた土台づくりが必要だと感じている」

 ホームで迎えた第36節の神戸戦で敗れて降格が決定すると、横浜FCの早川知伸監督は絞り出すように答えた。

 3試合を残して迎えた神戸戦は0―2のスコア以上の完敗。指揮官は「より高い個人の質を求めていかないと戦えない」とも語った。

 残留争いは例年通りの団子状態になったが、開幕直後のつまずきが響いた。

 開幕から6連敗となり、続く7戦目で柏レイソルと引き分けたが、次のサンフレッチェ広島戦で7敗目。クラブは4月初めの時点で下平隆宏監督から、18歳以下チームの監督だった早川監督への交代を決めた。

 東京五輪による中断期間に入る時点で2勝15敗5分け。約1カ月の中断期間で5人の新外国人を獲得し、立て直しを図った。

 ミニキャンプで守備を修正できたこともあり、中断が明けた8月以降は4勝7敗4分けと巻き返したが、シーズン前半のつまずきが重荷となった。

 途中から主将を任されたMF瀬古樹は「開幕からすべてが降格になるべくしてなった」と話している。

 資金をつぎ込んだ戦力強化は実らなかった。ただ、それは一時的な応急措置にすぎない。

 19年にJ1昇格を決めたとき、最年長のカズこと三浦知良は「このクラブの色や個性ははっきりしたものがない」と話していた。

 この3年ほどで、どんなサッカーをするのかというゲームモデルや、どんな選手を育てるのかといった指針や哲学について、クラブは言語化をしてきた。

 それらは、監督や選手が入れ替わっても、クラブの背骨として立ち返る場所でもある。

 早川監督は就任する前からアカデミー(育成下部組織)のまとめ役として育成方針の言語化に関わってきた。「クラブの哲学やゲームモデルは降格や成績に関係なく、ぶれずに継続すべきもの」と話すが、同時に「成績が伴わなければ、すべてを一貫して続けるのは難しくなるとも感じている」とも語る。

 J1に定着するためのクラブの土台づくりをこのまま推し進めるのか。見詰め直すのか。大切なタイミングに来ている。潮智史