日立とGE、カナダで小型原子炉を受注 「脱炭素」の利点強調

伊澤健司
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 日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)の原子力事業合弁会社の「GE日立ニュークリア・エナジー」は2日、従来の原発よりも小規模な小型モジュール炉(SMR)をカナダ電力会社から受注したと発表した。日系企業が商用のSMRを受注するのは初めてという。2028年の完成をめざしている。

 カナダ・オンタリオ・パワー・ジェネレーションから受注した。出力30万キロワット級の「BWRX―300」と呼ばれるタイプを、オンタリオ州に最大4基建設する見通しだ。22年末までにカナダ当局に建設許可を申請する。受注額は非公表としている。

 通常の大型炉の出力は100万キロワット前後あるが、SMRは小型化し抑えている。燃料から出る熱が少ない分、冷やしやすく非常時の安全性を高めやすいとされる。工場で組み立てたものを運んで設置することで、建設コストも大型炉より小さくなると企業側は主張している。

 主に欧米で開発が進む。日本企業ではGE日立のほかに三菱重工業が開発しようとしている。IHIも米国の新興企業の事業に参加している。

 企業側は「脱炭素」にもつながるとSMRの利点を強調するが、放射性廃棄物が出ることは従来の原発と同じだ。建設費が大型炉よりかからないといっても、出力の規模は小さく発電コスト全体で見ると安くなるとは限らない。廃炉にも巨額の費用が想定される。

 国のエネルギー基本計画には、次世代の原発開発への「積極的支援」が盛り込まれた。SMRの開発などを見据えたものだ。基本計画には原発の新増設や建て替えは明記しておらず、国内導入の見通しは立っていない。(伊澤健司)