新型コロナウイルスの感染拡大で、ワクチン接種を一般の人たちにも義務化する動きが欧州で出ている。オーストリアに続き、ドイツも2月から幅広く義務とする方向だ。個人の自由を大きく制限する施策だが、新たな変異株「オミクロン」の出現もあり、背に腹は代えられなくなった。
退任を間近にしたドイツのメルケル首相は2日の記者会見で「現状を考えると、強制接種を採用することは本当に必要だ」と述べた。1日の新規感染者数は多いときで6万~7万人台と過去最悪の状況で高止まりし、一部の州では病床が逼迫(ひっぱく)している。
メルケル氏は「任意の接種が受け入れられることを望んでいた。集団免疫が獲得できるのではないかと期待していた」と述べた。たが、現状はそうなっておらず、「この決断をしなければならないと確信している」と語った。
ドイツでワクチンを2回接種した割合は人口の約69%で、70%を超えるベルギーやスペイン、イタリア、80%を超えるポルトガルなどよりも低い。
来週、次期首相に就任予定のショルツ財務相も「十分な数の市民がワクチンを接種していない」として、「強制接種を連邦議会で議論することは正しい道だ」と述べた。まず、介護施設や病院の職員から強制接種とし、今後、議会で承認されれば、2月には一般市民も義務化される見通しだ。
ワクチン接種をめぐっては…

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