二重の契約違反で印刷ミスのまま受給者へ 年金通知書誤送付で報告書

村井隼人
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 「年金振込通知書」の中身が別人のものと取り違えられて誤発送された問題で、日本年金機構は3日、調査報告を公表した。機構が通知書の印刷を委託した業者が、印刷ミスに加えて契約内容通りの手順を踏まずに2度にわたってチェック機能が働かず、大規模な誤発送につながったとした。

 報告書によると、印刷を受託したサンメッセ(岐阜県)の担当者が印刷機の設定を誤り、宛名にあたる表面と、振込額や基礎年金番号が記載された裏面で別人のデータが印刷された。

 また、本番を印刷する前には試作品が印刷され、機構のチェックも受けていたが、契約に反して本番の印刷とは異なる設定で試作していた。印刷後には、年金受給者ごとに割り振られた管理番号が表裏で一致しているかを確認する契約だったが、怠っていたという。

 機構は試作、本番のいずれの段階でもサンメッセ側に契約違反行為があったとして、来年8月まで同社の競争参加資格を停止し、通知書の再作成や発送の費用を負担させるとしている。今後、機構は本番を印刷した段階での現物確認といった再発防止策をとる方針。

 機構によると、誤発送が発生したのは10月6日。愛知、三重、福岡3県の年金受給者に同月15日に振り込まれる予定額などが記載された「年金振込通知書」が届いた。宛先は自分のものだが中身は、違う人の年金振込額や基礎年金番号、振込先の金融機関名(口座番号は含まれず)などが記載されていた。その後、和歌山県奈良県の一部でも誤送付が発覚し、対象は5県の計97万5065人となった。(村井隼人)