山本精機、来年9月に本社移転へ 雇用創出めざし県は企業誘致に力

井上怜、増田洋一
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 航空機部品メーカーの山本精機が、来年9月にも本社機能を東京都立川市から秋田県潟上市の事業所に移転する。事業拡大が狙いで、これに合わせ、事業所と雇用を拡大する。人口減が続く秋田県にとって雇用創出は大きな課題で、県は誘致企業への補助などに取り組んでいる。

 市や同社によると、移転に合わせて潟上市の事業所を現在の約1500平方メートルから約480平方メートル拡大し、社員5人を雇用する。

 市や同社によると、1968年の創業以来、ボーイングやエアバスなどの航空機のエンジンや機体の部品製造を手がけてきた。2016年に潟上市に県誘致企業、市奨励措置企業として事業所を設立し、現在は22人が勤務している。

 同社は新型コロナウイルスによる航空機需要の低迷で発電用部品の分野にも進出しており、コロナ後も視野に事業の拡大を見据えているという。

 市は「若い方々の雇用の場になることに加え、高い技術を持った企業の事業拡大で関連企業の誘致にも期待できる」としている。

 企業誘致による雇用創出は県の重要な課題となっている。県は15年度から本社機能などの移転を促すために補助金を出しており、対象に指定された企業はこれまでに15社ある。

 新規雇用の予定人数が多かったのは、いずれも東京都から移ってきた、システム開発のプレミアIT&プロセスマネジメント(新規雇用30人、にかほ市)、窯業(ようぎょう)・土石製品製造のエドモンド・オプティクス・ジャパン(同22人、湯沢市)、職業紹介・労働者派遣のプレステージ・ヒューマンソリューション(同20人、秋田市)などだ。

 補助金制度は新規常用雇用者の初年度人件費などを対象に、4千万円を上限に助成するものだ。

 ただ、県によると、補助金が出ることを大きな理由として移転する企業は少ないという。

 県産業集積課が、補助金対象に指定した企業に移転の理由を尋ねると、大都市圏よりも県内のほうが人材確保がしやすいことや、県民の基礎学力が高く、仕事の覚えが速いことを挙げる企業が多い。また、県内の工場を拡張するタイミングで本社機能を移して工場と一体化し、効率化を図るケースが多いという。

 同課の担当者は「本社機能が県内に来れば、企画や管理、調査など多様な仕事が県内に生まれる。若年層の地元就職の選択肢が広がり、賃金水準の向上も期待できる」と話す。(井上怜、増田洋一)