新庁舎、なぜ土砂災害警戒区域に? 市民から不安も「問題ない」

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奈良山雅俊
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 北海道稚内市で建設が予定されている市役所新庁舎をめぐり、住民の間から問題点を指摘する声が出ている。住民説明会で相次いだのは、建設場所に対する「なぜ」。疑問の理由は、そこが土砂災害警戒区域だからだ。

 市の基本設計案によると、新庁舎の敷地面積は駐車場を含めて5400平方メートルで、総事業費は60億円。庁舎本体は地上4階建て・延べ床面積約6500平方メートルで、建設費は約49億円。災害時の司令塔としての機能を備え、近隣住民の一時避難所にもなる。近く基本設計を策定し、今年度中に約5億円をかけて用地を取得。23年度に着工し、25年度の供用開始を予定する。

 市議会では一部の反対はあったが、賛成多数で関連予算案が可決され、市は11月上旬、市内10カ所で市民説明会を開いた。そこで疑問の声が上がったのが、市議会でも指摘されていた建設予定地に関する問題点だ。

 宗谷湾に面した稚内の中心市街地は背後が丘陵地で、現庁舎も斜面のすぐ下にあり、土砂災害警戒区域に入っている。現庁舎前の噴水がある駐車スペースは警戒区域外だが、北隣の新庁舎予定地は警戒区域内だ。背後に大きな沢があり、警戒区域が広範囲に設定されている。

 当初、移転先は現庁舎前とみられていた。市有地のため用地買収費はかからず、警戒区域でもないためだ。ところが昨秋、基本構想案の段階で現在の場所が候補地に浮上。警戒区域への移転を疑問視する声が出始めた。

 なぜ警戒区域に移転するのか。市は、新庁舎とJR稚内駅を直線で結ぶことによる「都市軸」の強化を強調する。

 新庁舎は現庁舎からわずか1区画ほどしか離れていないが、稚内駅との位置関係が変わることで新たな商業施設の進出を促し、衰退が進む中央商店街の活性化につなげたいという。警戒区域への建設は建築基準法上の規制はなく、「建設には問題はない」という。

 しかし近年全国では豪雨災害

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