新興企業への出資、税優遇を延長 株保有は3年でOK

吉田貴司
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 政府・与党は、新興企業への出資を促す税制優遇措置について、要件を緩和した上で2021年度までだった期限を延長する方針を固めた。欧米や中国に比べてスタートアップ企業などへの出資やM&A(企業合併・買収)が少なく、引き続き下支えが必要と判断した。10日ごろにまとめる与党税制改正大綱に盛り込む。

 「オープンイノベーション促進税制」と呼ばれる制度で、いまは設立10年未満の国内外の非上場企業に対して、現金の払い込みで1億円以上(中小企業は1千万円以上、海外企業へは5億円以上)出資した場合に、株式の取得額の25%相当が法人税上の所得から控除される仕組み。20年度から2年間の期限つきで始まった。

 控除の上限は1件当たり25億円以下で、出資側が5年以上株式を保有するなどの要件がある。税調関係者によると、22年度以降は「設立10年未満」の要件を「15年未満」とし、対象となる新興企業の幅を広げる。また、5年以上としている出資側の株式保有期間を3年以上に短縮し、出資のハードルを下げる。

 経済産業省の調べでは、20年度には112件の利用があり、344億円の投資につながった。国内の新興企業投資の約14%にあたるといい、同省は2年間の延長を求めていた。岸田文雄首相が肝いりで立ち上げた「新しい資本主義実現会議」は、11月の緊急提言で「対象となる株式の範囲の拡充」を検討するよう求めていた。吉田貴司