米「民主サミット」初開催へ 招待国の境目あいまい、透ける対中戦略

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ワシントン=園田耕司
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 バイデン米大統領は9、10両日、110超の国・地域の指導者らを招き、初の「民主主義サミット」をオンライン形式で開催する。バイデン氏の強いリベラル志向の政治理念に基づく国際会議で、世界各地の民主主義を促進するのが大義名分だ。多くの民主主義国家を結集して緩やかな連合を形成し、バイデン政権が「専制主義国家」と位置づける中国に対抗しようという戦略も透けて見える。

 バイデン氏が民主主義サミットのアイデアを披露したのは、大統領選中の2020年春、米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」に寄せた論文だ。世界的に民主主義が圧力を受けていると指摘し、サミットの目的を「自由世界の国々の精神と共有された目的を再び新しくする」と記した。トランプ大統領(当時)はロシアやサウジアラビア北朝鮮など強権的な国家の指導者に強い親近感を示しており、サミットの構想はトランプ氏への対抗もあったとみられる。

 ただし、最も大きな動機は、上院議員当時から民主主義や人権問題への関心が強いバイデン氏個人の政治理念だ。バイデン氏は中ロを念頭に常々「専制主義者の彼らは、民主主義は21世紀において専制主義に対抗できないと考えている」と強い危機感を示してきた。

 米シンクタンク・国際共和研…

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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2021年12月6日4時53分 投稿

    【視点】民主サミットには3つの問題があります。第一は、米国が主張する民主主義というイデオロギーで世界を分断するアプローチで勝算があるのかという問題です。第二は、フィリピン、パキスタン、ウクライナのような客観的に見て政権による人権抑圧が日常化している