司法格差の是正を 人口増の藤沢で家裁設置求めるシンポ
秦忠弘
藤沢簡易裁判所(神奈川県藤沢市朝日町)に家庭裁判所の設置を求めるイベントを4日、県弁護士会が開いた。法曹関係者だけでなく、同簡裁管内(藤沢市、海老名市など5市1町)の自治体関係者も参加し、人口増に対応した家裁制度を考える必要性を訴えた。
イベントでは、間部俊明弁護士が基調報告した。「藤沢簡裁の管内の人口は119万人を超えている」とし、それより少ない県に家裁本庁などがあることに触れ、「司法格差を余儀なくされていると言っても過言ではない」と指摘した。
来賓として参加した藤沢市の鈴木恒夫市長は「まちづくりの意味からも、家裁の出張所があることが望ましい。この機会にぜひ実現に向けて進んでいければと思っている」と発言。海老名市の萩原圭一副市長は「家裁が藤沢市にできることによって、海老名市民の利便性も高まり、司法が身近に感じられるものになる」と述べた。
元家事調停官らが参加するシンポジウムもあり、元家裁所長の若林昌子さんは「家事事件の急増、困難性は著しい。人口増加を考慮した家裁制度を考えることが急務」と発言した。
イベントは「裁判所がここにない!?私たちの街に家庭裁判所出張所を!」と題し、離婚や相続といった家裁が扱う家事事件が増え、藤沢簡裁管内の人口も増えているのに家裁がない現状を市民にも考えてもらおうと、県弁護士会が企画した。(秦忠弘)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。