「英仏当局、救助来ず」 遭難事故の生還者が証言 国境付近で沈没

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パリ=疋田多揚
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 英仏海峡で移民ら27人が死亡した遭難事故で、生還者がクルドメディアの取材に応じ、「英仏両当局に救助要請したが、救助に来ることはなかった」と証言した。仏海上保安庁は2日、朝日新聞の取材に「遭難を覚知したのは(遺体を発見した)漁船からの通報が初めてだった」としつつ、海上憲兵隊が調査を進めていることを明らかにした。

 証言したのは、イラクから英国を目指したクルド人男性ムハンマドさん(21)。証言によると、ムハンマドさんは密航業者の手配で、11月23日夜に仏海岸からゴムボートで出発。33人が乗っていたという。

 3時間半ほどすると、英国とフランスの領海の境界付近で右舷に穴が開き、水をかき出したがボートは沈没した。この間、同乗者が仏当局に電話で位置を知らせて遭難を告げると、「そこは英領海だから救助にいけない。英国に要請を」と指示された。英国に要請しても、救助に来ることはなかったという。ムハンマドさんは家族の病気の治療費用を稼ごうと、ベラルーシ経由で英国を目指していた。

 もう一人の生還者のソマリア

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