落語家の三遊亭円丈さん死去 76歳、古典にとらわれない新作の名手

 型破りな作風で現代新作落語の礎を築いた落語家の三遊亭円丈(さんゆうてい・えんじょう=本名大角弘〈おおすみ・ひろし〉)さんが11月30日午後3時5分、心不全のため死去した。76歳だった。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻ユリ子さん。

 名古屋市生まれ。明治大学を中退して1964年に六代目三遊亭円生(えんしょう)に入門、ぬう生を名乗る。78年に真打ち昇進して円丈を名乗った。

 二つ目時代から「実験落語」と称した落語会で新作に取り組んだ。大人が駄菓子を回顧する「グリコ少年」、郊外電車をネタにする「悲しみは埼玉に向けて」といった新しい発想の噺(はなし)を生み出した。阪神タイガース掛布雅之選手と共演した蚊取りマットのCMなどでテレビでも人気が出た。

 SF小説的な視点も取り入れ、古典の形式にとらわれない芸風は、春風亭昇太さんや柳家喬太郎さん、上方の桂三枝(現・文枝)さんら新作を志す落語家たちに大きな影響を与えた。

 真打ち昇進の直後に起きた落語協会分裂騒動で円生らと共に協会を離れ、円生の死後に復帰した。当時の経緯や内情を自身の視点で赤裸々につづった著書「御乱心」はベストセラーになった。2010年には三遊亭鳳楽さんと七代目円生襲名をかけた落語会を仕掛け、話題になった。