子が先に逝く「こんなにきついのか」 京アニ遺族、講演で胸中明かす

鈴木智之、小松万希子
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 京都アニメーションの第1スタジオ(京都市伏見区)で起きた2019年の放火殺人事件で亡くなった渡辺美希子さん(当時35)の母、達子さん(71)と兄、勇さん(42)=ともに滋賀県在住=が3日、近畿運輸局(大阪市中央区)で開かれた「公共交通事故被害者等支援フォーラム」で講演した。オンラインを含め、約50人が聴講した。

 19年7月18日の事件では同社の役員や社員36人が死亡、32人が重軽傷を負った。青葉真司被告(43)は殺人や現住建造物等放火などの罪で起訴された。

 講演で2人は、事件直後から現在までの心境を切々と語った。京アニでは、背景を描いたり、美術監督を務めたりした美希子さん。

 事件後に対面したのは、達子さんが「隠さなくちゃならない」、勇さんは「むごい」と感じるほど、変わり果てた姿だった。

 2人はその後の心身の不調なども明かし、達子さんは「先に子どもがいなくなるのがこんなにきついのかと。想像よりも参りました。誰もが自信を持って生きていける社会があって、優しい人が多いほど、こんなことは起こらないのでは」。勇さんは「悲しい事故や自分勝手な都合で人を傷つける事件が、頻発しているような感覚もある。そんなことがない世の中に1ミリでも貢献できたら、笑って妹に会えるかな」と話した。(鈴木智之、小松万希子)