埼玉県内の政治家の「資金力」、収支報告書を調べると

黒田早織、川野由起、贄川俊
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 11月末に総務省埼玉県選挙管理委員会が公表した2020年分の政治資金収支報告書について、朝日新聞が県内の政治家に関係する政治団体を調べ、「資金力」を集計した。国会議員では、10月の衆院選に立候補せずに引退した自民党の山口泰明前衆院議員が1億円以上を集めてトップ、県議では自民の田村琢実氏が1500万円以上集めて最も多かった。

 対象にしたのは、20年当時の県関係の国会議員、県議、知事、さいたま市中核市の市長。すでに退任したり、肩書が変わったりしている場合もある。

 政治家が代表を務める資金管理団体や政党の選挙区支部、後援会などの政治団体を「関係政治団体」とみなし、それらの収入を合算して「総収入」を算出した。ただ、関係政治団体の間での資金移動は除いた。政党の解散などに伴う資金移動のためとみられる政治団体は議員が代表であっても除いた。報告書を期限内に出していない関係政治団体も複数あった。

 政治団体の収入には、会費、政党からの交付金、個人寄付、企業・団体の寄付(政党支部のみ)、政治資金パーティー収入などがある。与野党の国会議員には、党本部や県連から活動費として年1千万~2千万円の交付金が渡されるケースが多い。

 国会議員では上位10人のうち、立憲の枝野幸男衆院議員を除いて9人が自民の議員だった。自民の衆院議員だった15人のうち神山佐市氏と野中厚氏を除く13人は、交付金を除いても1千万円以上を集めていた。野党で交付金を除いて1千万円以上集めたのは、枝野氏だけだった。

 山口氏は、選挙区内の多くの市町に後援会がある。資金管理団体のパーティーで計約6千万円を集めたほか、個人から計約900万円の寄付があった。選挙区支部には計約2300万円の企業・団体献金があったが、約3分の2が自身が役員の会社からだった。

 2位の新藤義孝氏(自民)はパーティーで計約1400万、個人寄付で計約1200万、企業・団体からの寄付で計約2600万円を集めた。3位の村井英樹氏(自民)もパーティーで計約2300万円、個人寄付で計約1300万円の収入があった。

 県議(定数93)では、関係政治団体の総収入が100万円以上だったのは25人。このうち9人は70万円以上を自分で寄付して政治資金にしていた。総収入10万円以下の県議も約40人いた。

 田村氏は、パーティーで計約1310万円、個人寄付で計約270万円の収入があった。2位の立石泰広氏は選挙区支部で企業・団体からの寄付を計約780万円、資金管理団体の会費として計約300万円集めた。3位の辻浩司氏の場合、724万円が自身からの寄付だった。

 首長のトップは、奥ノ木信夫・川口市長で収入のほとんどは資金管理団体の会費だった。2位の大野元裕知事は個人寄付による収入が大半。3位の清水勇人・さいたま市長も資金管理団体への会費がおもな収入源だった。(黒田早織、川野由起、贄川俊