大学入試、再び強まる首都圏志向 法・経済・商学部の志願増か

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上野創、編集委員・増谷文生
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 本格的な大学入試シーズンが近づいてきた。昨年度は、初めての大学入学共通テストから各大学の個別試験まで、受験生も大学側もコロナ禍に翻弄(ほんろう)された。今シーズンの動向は――。

 「感染者が少ない状況が続いているのはありがたいが、テレビで忘年会の映像などを見ると、緩みが感染拡大につながらないか心配。経済を回す重要性は分かるが、オミクロン株の報道もあり、受験生のことを思って感染を広げない行動をお願いしたい」。東京都内の大規模私立大の入試担当者はそう話す。

 昨年の今頃は感染者が増加し、年明けには緊急事態宣言も出て、一部の大学は選抜の方法を変更する事態となった。大学入試センター試験から共通テストに移行する大きな入試改革の年にコロナ禍が重なり、「大学としてはすべてが手探りだった。今年は早めに準備できているが、感染拡大のリスクはまだあるので気が抜けない」。

 今年度は、当日に試験監督を担当する教職員を複数のチームに分け、万が一、感染者が出たらチームごと出勤停止にする。ほとんどの教職員がワクチン接種済みである点も心強いという。

 今年2月に予定していた一般選抜の個別試験を感染拡大防止の観点からとりやめ、共通テストの結果のみで合否判定をした横浜国立大。思い切った感染対策として注目されたが、志願者が前年比で大幅に減り、結果的に一部の学部で追加合格を出したり、2次募集をしたりと混乱も生じた。

 今年度はある程度の感染拡大があっても個別試験を実施する予定という。

 入試担当者は「昨年度は未知の部分が多く先が見通せなかったので個別学力検査の中止を早め(7月)に決めたが、今年は対策を十分にすれば大きなリスクなく入試ができると考えている。公表した予定はなるべく変えない方針」。一方で、オミクロン株について「報道で相当に感染力が強そうなので不安を感じる。爆発的に増えなければ良いのですが」と話す。

 大手予備校が今秋の模試の志望動向を分析したところ、コロナ禍の影響は前年より薄れそうだという。

 昨年度の受験生は感染対策で遠方の大学の受験を控えたため、「地元志向」が強まった。だが、河合塾によると、今は感染が落ち着いていることもあり、「北海道、中国・四国、九州地区では首都圏を志望する割合がコロナ禍前に戻りつつある」という。

 都立戸山高で進路指導を担当する近藤明夫教諭は「地方の国公立大を受けに行く生徒は増えるのでは」。栃木県立の進学校の教諭も「コロナへの対応が見えてきたためか、東京の大学を受験しようとする動きが昨年よりある」。

 コロナ禍も影響して受験生が受ける校数を絞り、私立大の志願者が減ったのが昨年度の特徴だったが、それも回復傾向がみられる。

 駿台教育研究所の石原賢一・進学情報事業部長によると、地方の公務員人気やポストコロナの経済復活への期待から、法学部や経済・商学部の志願が増えそうという。「コロナ禍で注目された薬学や医学などのほか資格が取れる医療系、データサイエンスの情報系は変わらず人気だが、理系に比べてここ数年低迷が見られた文系の復調が、特徴的に出ている」

 ただ、外国語や「国際」を看板にする学部・学科は、海外に留学できるかどうか不透明な状況が続くなか、昨年に続き、模試の志望者は少なめ。「戻るには2年ぐらいかかるのでは」(上野創、編集委員・増谷文生

理事長逮捕の日大、入試への影響は?

 例年、一般選抜に10万人前後が出願する日本大学。理事長らが逮捕される事態になったが、入試への影響について、大手予備校の関係者は「あまりないのでは」と語る。なぜなのか。

 河合塾が集計した今秋の模試…

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