震災10年、記憶どう共有? 東北の展覧会、アートで模索する普遍化

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編集委員・大西若人
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 今年もコロナ禍は続き、東京五輪パラリンピックが行われ、首相交代や総選挙もあった。一方で、「東日本大震災から10年」について耳にすることが減ってきているのではないだろうか。震災後のいま、体験をどう受け止め、どう伝えるべきか。東北で開かれている二つの展覧会に探った。

 青森市青森県立美術館「あかし」展(1月23日まで)は、「東日本大震災10年」をうたうものの、出品者4人の表現のうち直接被災地に関わるのは、写真家・北島敬三が日本各地の風景を捉えた作品群のうちの一部に過ぎない。

 展覧会を企画した一人、高橋しげみ学芸主幹は、「震災直後はあれほどあった震災関連展が、10年たつと後景に追いやられている。復興五輪と唱えられた一方、震災にきちんと向き合う試みが減っていることに疑問を感じた」と話す。

 「大きな災厄が忘れ去られる過程を目撃しているのかもしれないが、震災には、人間はそうやって忘れてゆくのだという教訓があったはずです」

 そうした状況の中で、震災や…

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