四半期ごと開示の義務、「廃止」と「維持」が拮抗 首相が見直し言及

景気アンケート2021年秋

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 岸田首相は、企業に四半期ごとに経営成績などを公表させている四半期開示の義務づけについて、見直す考えを示した。朝日新聞が主要100社を対象に実施したアンケートで四半期開示の義務づけについて尋ねると「廃止すべきだ」が23社、「維持すべきだ」が23社で拮抗(きっこう)した。無回答を含む「その他」が54社だった。

 3カ月にあたる四半期ごと開示の義務づけには、経営の透明性を高める狙いがある。東京証券取引所の上場企業は1999年から順次義務づけられた。

 その見直しに岸田首相は10月の所信表明演説で言及した。企業の負担を軽減し、長期的な視点を持った経営を促したい意向だ。

 同調する声はある。

 日本製鉄の森高弘副社長は「現行制度は、投資家の短期投資傾向を助長させる側面があり、企業および投資家双方が長期的成長をめざすという観点で課題がある」と指摘する。

 一方、繊維メーカーの東洋紡は義務づけを維持すべきだ、との立場だ。竹内郁夫社長は「企業の活動の透明性を担保する」と、その理由を述べた。

 義務づけ「廃止」や「維持」は求めない「その他」を選んだ複数の企業から、四半期ごとの開示をするかどうかの判断は企業に任せるべきだとの意見が出た。

 食品や製薬をてがける明治ホールディングスの川村和夫社長は「四半期開示をやめれば企業の負担は軽くなるが、情報開示が後退したとの印象を海外の投資家らに与えかねない。その判断は各企業に委ねる形がよい」とした。