「日本、相対的に貧しく」 SOMPOの桜田氏が期待を寄せる分配

景気アンケート2021年秋

聞き手・江口英佑、高橋諒子
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 岸田政権は、経済成長だけでなく分配にも力を入れる「新しい資本主義」を掲げた。どう受け止めるのか。SOMPOホールディングスのCEO(最高経営責任者)で、経済同友会の代表幹事も務める桜田謙悟氏に課題を聞いた。

 日本は平成の30年間で、諸外国に比べて相対的に貧しくなったと言わざるを得ません。一方で米国の「株主第一」などの資本主義には疑問符が突きつけられています。「新しい資本主義」はロールモデルになるのでは、という期待があります。

 成長に大事なのは、イノベーションを起こすことですが、日本企業全体にその機運が波及しないのは、危機感の欠如があったからではないかと考えています。

 コロナ禍でビジネスの入れ替えをやっているか、という企業への調査では、2割ほどしか考えていなかったそうです。すでに豊かなので、痛みを伴いながら将来に向けてエネルギーを注ぐより、足元のお客さまや株主の理解を得た方が楽なことも要因かもしれません。経営者は反省しないといけません。

 スタートアップ新興企業)は課題や、問題に対して積極的に取り組んでいます。大企業では、課題に取り組んで成長するという概念が、この30年足りていませんでした。本来は、大企業こそがやらないといけないと思っています。

 生活者は値下げを求めるのではなく、「もっと良い商品やサービス」を求めてほしいです。そして、生活者が抱える課題を解消した企業には大いに称賛し、それがイノベーションにつながると考えています。

 SOMPOホールディングスの中核は損保ジャパンという保険会社ですが、2015年に介護ビジネスに本格参入しました。介護職の低賃金は日本の大きな問題です。我々は来年4月から、リーダー級の約1千人について年収を約50万円引き上げることを決めました。約24億円かかりますが、職員のモチベーションが上がっており、来年度の採用も多くの人が集まっています。(聞き手・江口英佑、高橋諒子)