「移民ゼロ」掲げる極右政党 衝突で候補者も負傷 仏大統領選
ビルパント=疋田多揚
来年4月のフランス大統領選に出馬を決めた極右の論客エリック・ゼムール氏(63)が5日、パリ郊外のビルパントで大規模集会を開き、「再征服」と名付けた党を立ち上げると発表した。入場時に男に襲われて腕を負傷し、反対デモも行われるなど、選挙運動は波乱の幕開けとなった。
フランス語の「再征服」は、中世にキリスト教徒がイスラム勢力をイベリア半島から追い出した「レコンキスタ」(国土回復運動)の意味も持つ。グローバル化や移民の流入で社会が衰退したと主張してきたゼムール氏は演説で「我々の経済、治安、アイデンティティー、主権を再征服(奪還)する」と説明。「移民ゼロが我々の政治目標となる」と訴え、反移民や反イスラムの姿勢を鮮明にした。
仏メディアによると、集会には約1万3千人が参加。ゼムール氏が観客席の間を縫って入場する際、男が駆け寄ってつかみかかり、警察に拘束された。AFP通信によると、ゼムール氏は腕を負傷し、9日間働けないと診断されたという。
ゼムール氏陣営は当初、パリ…