法令軽視の末に市場から退場 小林化工社長が練った幻の「自社再建」
小田健司 堀川敬部 柳川迅 佐藤孝之
安価なジェネリック医薬品(後発薬)を普及させるという国策を追い風に、法令順守を軽視し続けた中堅メーカーを待っていたのは市場からの退場だった――。水虫などの皮膚病用の飲み薬に睡眠導入剤を混入させて健康被害を出した小林化工(福井県あわら市)が、製薬業の機能を他社に譲渡することになった。
「従業員の雇用の最大化と医薬品の安定供給という二つの点から提案を受けることにした」
問題発覚からほぼ1年となる今月3日。小林広幸前社長の後を継いで5月に就任したばかりの田中宏明社長による記者会見は、自力再建を目指したかったという本意にそぐわない内容だったのかもしれない。
工場と従業員が移るのは、同業最大手の一つ、サワイグループホールディングスが設立した子会社。来年3月までにあわら市内にある工場や本社などを譲渡するという。
従業員約600人のうち、製…
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