「核のごみ」調査地は古い海底火山地帯 地質専門家が共有する違和感

有料会員記事

編集委員・佐々木英輔
[PR]

 原発から出る「核のごみ」処分地の文献調査が始まって、この11月で1年が過ぎた。調査を受け入れた北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村を対象に、地質などの過去の資料を原子力発電環境整備機構(NUMO)が集める。期間は2年が目安といい、折り返し地点を迎えたことになる。

 今までどんな文献を調べたのかを問い合わせると、ウェブ上の説明資料を案内された。「活断層詳細デジタルマップ」「5万分の1地質図幅」「新規制基準適合性に係る審査会合資料」……。例示されていたのは、少し知識があれば思い浮かび、検索できるようなものばかりだった。

 では、集めた文献の詳細や調査結果はどんな形で公表するのか、外部専門家の評価を受けるのかとも尋ねたが、詳しい手順は未定という。

 改めてはっきり言えば、この地域での処分は地学的に筋が悪い。核のごみは、10万年単位で地下に閉じ込める「地層処分」をすることになっている。ただでさえ、地殻変動の激しい日本列島でできるのかが論争になるのに、少し資料を見るだけでも悪条件が目につく。

 活断層や火山活動だけではない。

 「割れ目の多い不均質な岩盤で不確実性が大きい場所。最初から足を踏み入れるべきではない」。かつて電力中央研究所で地層処分の研究に携わったことがある千木良雅弘・京都大名誉教授はこう言う。

 問題となるのが地下水だ。放射性物質が岩盤の割れ目を伝って地表に届いては困る。このため水みちをシミュレーションして安全性を評価するが、ここには「水冷破砕岩」が広く分布する。古い海底火山の噴出物が水中で冷え固まった岩石で、その堆積(たいせき)物からなる岩石や、マグマが貫いてできた岩脈も多く、割れ目ができやすい。いくらボーリングしても、すぐ隣の状態はわからず、細かな割れ目の把握も困難。信頼性の高い計算は難しいという。

 ただ、何をもって処分に不適…

この記事は有料会員記事です。残り640文字有料会員になると続きをお読みいただけます。