52歳、がんで死去 ピアニストの白崎彩子さんが遺したメッセージ

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 米ニューヨークでジャズピアニストとして活動していた白崎彩子さんが11月29日、がんのため、ニューヨーク市内の自宅で死去した。52歳だった。亡くなる1カ月前に、死後に友人に伝えてほしいメッセージを託していたという。メッセージには、早くにこの世を去ることへの葛藤や、生涯を捧げた音楽への思いをつづっていた。

 14歳でラジオ番組「NHK―FMセッション」にピアニストとして出演するなど、若くして才能は高く評価された。東京芸術大学ではクラシックを専攻したが、卒業後、ジャズへの思いは日に日に膨らんだ。

 1997年、単身ニューヨークに渡った。マンハッタン音楽院を首席で卒業後、本格的にニューヨークでミュージシャンとして活動を始めた。

 ミュージシャンからの評価が高く、デビューアルバム「イグジスタンス」には、ジャズ界を代表するドラマーのルイス・ナッシュも参加。クラシックを中心とした世界的な音楽フェスとして知られるスイスのルツェルン音楽祭にも3度の出演を果たし、ヨーロッパツアーもおこなった。ニューヨークでは、日本人の乳幼児に日本語の童謡や唱歌を伝える教室も開いていた。

 昨夏、がんが見つかった。ほとんど自覚症状はなかったが、健康診断のような形で検査をしたところ、がんが判明。ステージ3まで進行していた。すぐに手術することを決めたが、手術を受けるまでの間にさらに進行し、手術ができなくなった。「あと5年早く検査を受ければ良かった」。兄の淳さんには、そう漏らしていたという。

 淳さんによると、がんが判明し、死を意識したあたりから、YouTubeでの投稿が活発になっていく。半年以上途絶えていた演奏動画の投稿を昨年12月に開始すると、自身の曲やショパン、玉置浩二の楽曲など、亡くなるまでに約40本の動画を投稿した。最後の動画は亡くなる約1カ月前の10月28日、自らのアルバムのタイトル曲「イグジスタンス」を披露した。

 白崎さんは亡くなる約1カ月前、友人に向けたお別れのメッセージを書いていた。そのメッセージを友人向けにFacebookで公開するよう知人に頼み、亡くなった。

 早くにこの世を去ることへの葛藤を見せつつ、「音楽(ジャズピアノ)が私という一人の人間を形成して、生きる価値を見出してくれ、私の人生に潤いを与え続けてくれました」などとつづっていた。(定塚遼)

白崎さんが伝えたかったこと 遺したメッセージとは

 今回、遺族の許可を得て、一…

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