外交ボイコットに踏みきったバイデン政権 「ジェノサイド」認定踏襲

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ワシントン=園田耕司
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 「ジェノサイド(集団殺害)と人道に対する罪」「とんでもない人権侵害と残虐行為」――。6日の記者会見で北京冬季五輪に政府当局者を派遣しない「外交ボイコット」の方針を明らかにしたサキ米大統領報道官は、その理由に挙げた新疆ウイグル自治区での中国当局による人権侵害を表現する際、極めて強い言葉を使い続けた。

 バイデン政権が北京冬季五輪の外交ボイコットに踏み切った理由は、新疆ウイグル自治区での人権侵害を「ジェノサイド」と認定していることが大きい。

 もともと「ジェノサイド」を使い始めたのは、トランプ前政権だ。対中強硬派のポンペオ前国務長官が退任直前の今年1月の声明で、新疆ウイグル自治区の人権侵害を「人道に対する罪」「ジェノサイド」と認定。中国政府はウイグル族らに対して強制収容などで100万人以上の自由を奪っていると指摘した。

 「ジェノサイド」は、ある民族に対する集団殺害という意味で使われることが多い。ポンペオ氏は、「ジェノサイド」と認定した理由について、そうした事実の有無には踏み込まず、「民族的、宗教的マイノリティーを強制的に同化させ消滅させようとしている」と説明した。

 当時、新型コロナウイルスを「武漢ウイルス」と言い続けていたポンペオ氏が使い始めた「ジェノサイド」は、中国への攻撃材料を増やす意味で政治的な思惑が強いとみられた。

 しかし、バイデン政権も、ブリンケン国務長官を皮切りに「ジェノサイド」認定を引き継いだ。認定を取り消せば、共和党から「弱腰批判」がでる恐れがあった。さらに、人権重視のリベラル的志向の強い民主党政権としては、中国当局の人権政策を強く批判するうえで「ジェノサイド」認定を踏襲することに違和感はなかったとみられる。民主党のペロシ下院議長も5月、中国国内の人権弾圧を「ジェノサイド」と非難し、各国の国家元首を北京冬季五輪に派遣しないように呼びかけた。

 バイデン米大統領としては…

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