インドのモディ首相とロシアのプーチン大統領は6日、ニューデリーで会談し、2031年までの10年間の軍事・技術協力協定を結んだ。ロシアは日米豪印4カ国(クアッド)による枠組みへの参加で米国に近づくインドをつなぎとめようとし、インドには米ロ双方から実利を得ようという思惑がある。
新型コロナウイルスが世界的に流行している過去2年ほどで、プーチン氏の外遊は今年6月にスイスで行ったバイデン米大統領との会談に次いで2度目。今年10月の20カ国・地域(G20)首脳会議や、11月の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)では現地入りを見送っている。プーチン氏は会談の冒頭、「インドは我々に友好的な人々のいる、偉大な大国だ」と持ち上げた。モディ氏も「あなたのインドへの関わりが両国関係の重要性を象徴している」とねぎらった。
外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)も両国間で初めて開かれた。ロシアのカラシニコフ社の自動小銃をインドで生産し、60万丁以上をインド軍に供給することで合意。モディ氏は製造業振興策「メイク・イン・インディア」を掲げ、技術移転や雇用創出を目指しており、ロシアが応じた。
首脳会談ではアフガニスタン…
- 【視点】
インドは、米国、中国、ロシアの間で巧みな外交を展開しています。クアッドを中国やロシアを封じ込めるために用いることができるという発想が間違っていることが今回の印ロ首脳会談ではっきりしました。東西冷戦期にインドは非同盟政策を取っていましたが、
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