安倍氏「おかしいよ。この判断は」 連携演出の岸田氏と微妙な距離感

有料記事自民

楢崎貴司 笹井継夫
[PR]

 岸田文雄首相と自民党最大派閥を率いる安倍晋三元首相の距離感が注目を集めている。派閥の支援を背に政権を安定させたい岸田氏と、主流派として存在感を示したい安倍氏の利害は一致。互いに協力する考えを強調しているが、両氏の間には不安定要素も漂う。

 東京都内のホテルで安倍派(清和政策研究会、95人)が6日夜に開いた政治資金パーティー岸田派宏池会、42人)会長でもある岸田氏は「(安倍派には)新規入会者が続出している。宏池会にも少し、お裾分けいただけないか。うらやましい」と持ち上げた。その上で「最大派閥が勢いを増すことは、自民党にとっても日本の政治にとっても安定という意味で大変重要。岸田内閣をど真ん中で支えてくれ、大変ありがたい」とした。

 岸田氏は「ある(外国の)首脳は『シンゾー(晋三)は国政選挙で6連勝している。自分はその秘訣(ひけつ)を教えてもらった』と言っていたが、私はまだ聞いてはいない」とも述べて会場を沸かせ、さらなる連携を求めた。

 安倍氏も「(派閥が)一致結束してしっかりと岸田政権を支えていくことを約束したい」と強調。新旧両首相は、集まった約2千人の出席者の前で結束ぶりをアピールした。

岸田首相が飲まされてきた「煮え湯」

 しかし、岸田氏には、これま…

この記事は有料記事です。残り1007文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    三輪さち子
    (朝日新聞経済部記者)
    2021年12月13日18時45分 投稿
    【視点】

    岸田政権は安倍晋三元首相の「傀儡政権」ではないかと言われていましたが、岸田首相と安倍氏との間には微妙な緊張感があることを伝える記事です。安倍派のパーティーであいさつに立った岸田首相は、冗談で会場を沸かせ、安倍派との連携ぶりをアピールしていま