YOASOBI、初の有観客ライブ 時代を象徴、幻想的な物語世界

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柴那典・音楽ジャーナリスト
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 歌の一つひとつに「原作小説」がある。そんな異色のユニット・YOASOBIは、デビューわずか2年で、日本のトップミュージシャンに上り詰めた。「沈むように溶けてゆくように♪」と歌う「夜に駆ける」は、ネットのストリーミング再生数5億回を突破。続く「怪物」は、「DAM年間カラオケランキング」で、今年発売された楽曲の中で最も歌われた楽曲となった。

 ネット発で国民的な人気グループになったが、いままで観客の前でライブを開いたことがなかった。初のライブ開催が決まり、チケット争奪戦は過熱をきわめた。「はじめまして」。日本武道館のステージでそうあいさつして始まった初の人前でのライブと、YOASOBIのヒットの要因について、音楽ジャーナリストの柴那典さんに寄稿してもらった。

「はじめまして」 ついに客前に姿を現した大人気ユニット

 小説を音楽にするユニット、YOASOBI(ヨアソビ)が初の有観客ライブ「NICE TO MEET YOU」を4、5日、東京・日本武道館で行った。コンポーザー(作曲家)のAyase、ボーカルのikuraからなるユニットは、コロナ禍の昨年に「夜に駆ける」でブレーク。2年連続の紅白歌合戦出場を決め、一躍人気者になったが、これまでに行った2回のライブは配信のみ。ファンと対面して歌と演奏を届ける機会はこれが初めてだ。

 ハツラツとした声で「はじめまして、YOASOBIです!」と告げたikuraの挨拶(あいさつ)に約7千人の大きな拍手が応え、ライブは「あの夢をなぞって」からスタート。カラフルな衣装を身にまとったステージ上の2人には緊張や重圧の様子は見受けられず、嬉(うれ)しげな表情からはようやく観客の目の前で歌える喜びが伝わってくる。

音楽制作はすべてPC。「人間の歌唱を考慮しない」節回しを見事に歌いこなすYOASOBI。記事の後半では、ライブレポートとともに、大ヒットの要因を分析します。

 凝ったステージにも目を見張…

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